舞台「カラフト伯父さん」のはなし
カラフト伯父さん東京公演を観てきました。
以下ネタバレおよび超個人的解釈をずらりずらりと並べています。
本当に個人的な備忘録のようなものですので、ネタバレは嫌だ!という方はどうぞ読まないことをおすすめします。それから文章中の役者のセリフはあくまでニュアンスです。だいたいこんな感じだったはず、と言うレベルのもので全く正確ではありませんのであしからず…!
それはまるで、冷たい鉄の上で寝るような日々
舞台は2005年・冬。
セット正面の引き戸を面倒くさそうに開け、バンパーのへこんだ軽トラックを運転して帰宅する、伊野尾くん演じる徹くん。いささか乱暴にトラックのドアを閉め、帰りに買ってきたのであろうコンビニの袋をソファに投げ置く。開演前から(演出の一環として)鳴り続けていたラジオを止め、ふと工場を見渡す。目の前に広がるのはさびれたトタン屋根、油でぬるぬるとした床、赤茶に錆びた階段、無機質な事務机。それから壊れかけのストーヴに小さな冷蔵庫。それらをゆっくり見渡してから彼はひとつため息をついて、ソファにどっかり座り、先ほどのコンビニの袋を漁る。すると出てくるものはチョコレートブラウニーのスティックやカップラーメン、それからポテトチップスやコーラといったジャンクフードばかり。
ここまでの約10分間で思ったのは、多分徹くんはひとりっきりになってからずっと、こんな生活をしていたのだろうということです。彼の買ったものには、温かいものがひとつも入っていません。カップラーメンはお湯を入れるところまではいくのだけれど、このあと話が進んでいくため、その場では徹くんが食べる演出はありません。彼はこの舞台の冒頭で、温かいものはなにひとつ口にしないのです。飲んでも牛乳、食べてもバナナ。季節は冬、着かないストーヴ、冷え込む工場内、寒くて脱げないダウンベスト。なんて温度の低い生活。きっとこれが母と義父を亡くしてからの彼の『普通』だったのでしょう。
破られる沈黙と突然の熱、そして絶望
突然やってきたカラフト伯父さんは「久しぶりだなァ!」と徹くんに話しかけます。今日までの彼の『普通』の生活を一言で壊せるほどの、あまりにも高い温度を持って。しかも仁美さんという、カラフト伯父さんよりもさらに熱量の多い女性を伴って。彼らふたりの持っている人間的な温度は、低温の生活を続けていた(あるいは続けざるを得なかった)徹くんには、それこそはじめは手に負えないほど熱かったことでしょう。だから彼は全身で叫んだ。こっちへ来るな、目の前から消えてくれ、今更なんの用があるというのか、ふざけるな、と。
しかし仁美さんは明るくて聡くてちゃんと大人で、熱量の調節がうまい女性でした。工場を訪れた初日こそは初対面の男の子に「ちょっとまだァ?あたし疲れてんのよ何時間も立たされて!ここに来たらお金貸してくれるんじゃなかったの!?」だなんて言えちゃう、奇抜で傍若無人な人に観えた彼女でしたが、日に日に徹くんと距離を縮めていきます。いくら徹くんが邪険に扱っても暴言を吐いても、仁美さんはさらりとかわして自分のテンポに巻き込む。会話を交わすうちに、いつからかささくれた徹くんの心にも仁美さんの熱量がじんわりと沁み込んでいく。そして劇中で唯一徹くんが食べる温かいものは仁美さんの作ったお味噌汁でした。徹くんにとって、他人が作った料理を食べることは一体何時ぶりだったのでしょうか。ふざけた口調で味見を頼む仁美さんですが、徹くんが美味しいと伝えた時に「よかったぁ、こっち(関西)は薄味じゃない?」と彼の味覚に味を寄せてくれたことがわかります。徹くんがお味噌汁を口にした瞬間、今まで一文字に結ばれていた口元がほんの少しだけ、ほころびます。徹くんの体内に温度が数年ぶりに、小さくだけれど確実にほうっと灯る瞬間を観た気がします。
一方カラフト伯父さん(悟朗さん)に対する徹くんの態度は首尾一貫して「冷たい」。そこに伯父さんなんていないような素振りをみせたり、無視したり。 その態度の根源は絶望からくるものではないでしょうか。だってアンタは母さんが死んだ時…だってアンタは阪神淡路大震災の時…だってアンタは義父が死んだ時…。ちいさな徹くんにとってヒーローであったはずのカラフト伯父さんは、本当はヒーローではなかった。普通の、人間だった。あれだけ会いたかったのに。あれだけ信じていたのに。大事な時に駆け付けてくれない、俺の大切なものが奪われていくのを止めてくれない、そんな人間を信じることを、俺は何年もかけてようやく諦められたのに。自分の都合のいい時だけ現れて金をせびってくるなんて。
カラフト伯父さんのことをヒーローだと思っていた愚かな自分への絶望と、単なるくたびれた伯父さんになってしまった悟朗さんへの絶望と。ふたつの絶望に挟まれた徹くんは、今更伯父さんを受け入れることは出来なかった。この寂れた小さな工場で、徹くんが独りで必死に守ってきたプライドが音を立てながら軋みます。そして悟朗さんのプライドもまた、悲しい音を立てるのです。元妻が死んだからって、のこのこと顔を出す訳にはいかないだろう…阪神淡路大震災の時は確かに来られなかったが、すぐに電話をしたじゃないか…元妻の新しい男が死んだ時、愛しいお前に、俺の事を「カラフト伯父さん」と呼び懐いてくれる息子に、どんな顔でお前に会えばいいと言うんだ…。息子に借りた金で身を立てなおすだなんて恥ずかしい事、俺には出来ない。だからでしょうか、悟朗さんは折角徹くんが給料の前借りまでして用意したお金をお酒に変えて飲んでしまいます。新しい人生のきっかけになるはずだったお金を、悟朗さんの思いつく最悪最低な方法で浪費します。その行為は徹くんに対してまるで「俺はヒーローなんかじゃないんだ」と遠回しに伝えるかのよう。
激突、それから
クライマックス、徹くんと悟朗さんふたりが言い争うシーン。トラックの荷台で、互いのプライドと絶望をぶつけあう、あのシーン。徹くんを今も毎晩襲うのは、指を伸ばせば届く距離で人の命が失われていくあの悪夢のような震災。迫り来る炎、叫び声、後ろを振り向いてはいけない…!九つの男の子も、近所のお兄さんの事も助けられなかった。苦しかった、怖かった寂しかったどうにもできなかった会いたかった会いたかった会いたかった会いたい会いたい助けて――他の誰でもなく、カラフト伯父さん!『ほんたうのさいわひ』って何ですか、それはどこにあるのですか、手に入れたらしあわせになれるんですか、あなたなら知ってるんでしょうカラフト伯父さん!
このシーン、ものすごい迫力です。不思議なことに、徹くんの背中の後ろに伊野尾くんが透けて見えるのです。等身大の男の子が涙でぐしゃぐしゃになりながらも、低温の怒りを吐き出すその姿の後ろに、役者・伊野尾くんがいました。本来演劇を観るときに、登場人物に役者本人のバックグラウンドを重ねるのはルール違反になるのでしょうか。わたしにはそれが良いことなのかどうか、分かりません。けれども徹くんの後ろには建築学科という視点で震災に関しての論文を修めてきた伊野尾くんが、確かに居たのです。
劇中後半にかけて怒濤のように繰り返される『ほんたうのさいわひ』については、わたしのなかでは結論は出ませんでした。徹くんがようやっとカラフト伯父さんに会えたことは確かに『ほんたうのさいわひ』ではあるでしょう。でもそれはきっとほんの一部。悟朗さんは言います。「そうだなあ、きっと(仁美さんの)お腹の子どもの子どもの子どもくらいが見つけられるんじゃないか?」と。でも徹くんの顔は温度を持ち、明るく晴れています。少なくとも、徹くんが満足いく分の『ほんたうのさいわひ』を彼が見つけられたのだとしたら、嬉しく思います。
最後の最後に、寂れた工場に降り注ぐひとすじの雪は、3人にとっての道しるべであり、門出の祝いであり、そしてある種の赦しの証のようでした。
ハロー今君に素晴らしい世界が見えますか
舞台カラフト伯父さんには宮沢賢治作品の各作品に深く影響を受けているシーンが多々存在します。カラフト伯父さんのあだ名の由来が宮沢賢治の樺太旅行記から来ていたり、徹くんが「銀河鉄道の夜」に登場する人物・ジョバンニに語りかけたり。宮沢賢治が実の妹を失うその時に残した「永訣の朝」という詩からのオマージュも見られました。
以下にリンクを張ったのはGoose HouseによるGOING STEADYの『銀河鉄道の夜』という曲のカバーです。イントロにバッハの「主よ人の望みの喜びよ」がアレンジされているこのバージョンがとても好きなので、あえて今回は本家ではなくこちらを選んでご紹介します。カラフト伯父さんに登場する3人にぴったり誂えたかのような歌です。是非一度聞いてみてください。
ハロー徹くん、今君に素晴らしい世界が見えますか。
銀河鉄道の夜/GOING STEADY(Cover) - YouTube
僕はもう空の向こう 飛び立ってしまいたい
あなたを
僕はもう空の向こう 飛び立ってしまいたい
あなたを想いながら
星めぐりの口笛を吹いて
裸のまま ひとりぼっち 涙も枯れた
ハロー今君に素晴らしい世界が見えますか
ハロー今君に素晴らしい世界が見えますか
ジャニオタはミニマリストの夢を観るか
断捨離・整理整頓がマイブームです。
きっかけは最早有名すぎるであろう、こんまりこと近藤麻理恵先生のこちらの本。
- 作者: 近藤麻理恵
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2010/12/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 36人 クリック: 372回
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読む前から自己流で物を捨てたりはしていたのですが、ある程度片付けをし終わった段階でこの本を読み、その物にときめくか否かでもう一度手元に残った物々を見直してみたら、あまりときめかないな…と思う物の多いこと!ありがとうの気持ちをきちんとこめて、捨てることにした物がいくつもありました。
断捨離ブロガーさんのお宅の写真を見ていると、もちろんのことではありますが、とてもすっきりしています。必要なものが必要な所に必要な分だけすとんと収まっている姿がとても綺麗。特に床に物が一切ないお宅が大半で、掃除もしやすそう。羨ましい限りです。そしてブロガーさんのなかにはミニマリスト(出来るだけ少ない物の中で生活をする方々)さんたちもいらっしゃいます。身軽なその姿は、まるである種の自由を手に入れたよう。トランクケースやスーツケースひとつで世界中どこへでも飛んで行けそうなのです。うーん、憧れます。
一方わたしといえばどうでしょう。ミニマリスト…わたしもなりたいんです。自分が所有するほんの少しの物をひとつずつ、ちゃんと愛用していきたいんです。しかし、厳選して残した物をカテゴリ分けしてみたらほとんどジャニーズ関連ではないですか。悟りました。ジャニオタはミニマリストには、なれない。理由は簡単です。ジャニオタ歴が長くなればなるほど、年々物が増えていくのです。
わたしが捨てられなかった物の一部を公開しますと、
- Blu-rayやDVDなどの映像作品
- シングルCDやアルバム
- コンサート及び舞台のパンフレット
- フライヤー
- 雑誌
- オフィシャル写真
- TVで放送された作品を焼いたディスク
など、やっぱりジャニーズ関連の物が多かったです。
更に細かく見ていきましょう。
・映像作品、CD、アルバム等
まず好きなグループのものがリアルタイムでリリースされたら買います。そのうち過去の作品も欲しくなってしまって、悩んで悩んで、けれど結局買ってしまいます。前回の記事で取り上げた「TOMOHISA YAMASHITA ASIA TOUR 2011 SUPER GOOD SUPER BAD」なんかが良い例ですね。いえ、素晴らしい作品だったので買ったことに対しての後悔はもちろん全くないのですけれど、持ち物としては増えるということです。
・パンフレット
観に行った公演の物は買います。紙媒体で保存できるものが好きすぎて(この時点でミニマリストにはなれないことがお分かりいただけることでしょう)。コンサートはその時々によりますが、舞台は確実に買います。特にジャニワ・トニワのパンフレットは大勢のJr.が載っているので、なかなか新しい子を覚えられないわたしのようなタイプには出席簿的に使えて、名前と顔を一致させるのにとても便利です。
・フライヤー
これは最近集めはじめてしまいました。フォロワーさんに、以前公演があった作品のフライヤーを頂けたことがとても嬉しくて、自分も集めてみたいなと。それに将来見直したらきっと楽しいだろうなって…まだ意識して集めたのは6作品分くらいしかないので、まあ現時点ではアリでしょうか。20ポケットファイルが数冊に及ぶようになったら考えます。
・雑誌
個人的にはこれが鬼門です。わたしは雑誌は解体しない派です。解体したらきっと占めている容量がぐんと減ることは分かっているのですが、雑誌はどうしてもそのまま取っておきたくて…。特にダンススクエアやQLAP!のような装丁がしっかりしているタイプであるなら尚更のこと。ジャニオタなりたての頃の2008年~2010年の嵐の記事あたりは一部解体してファイリングもしたのですが、ファイリングすると不思議と見返さなくなってしまったのです。多分、ファイリングをしたこと自体に満足してしまったのだと思います。それに一冊まるごとそのままの形で取っておくと、他のグループの当時のインタビューも読めるというのが結構好きで…雑誌に関してはこれから本気を出して要検討案件です。
・オフィシャル写真
ジャニショとは恐ろしいところである。
原宿怖い。
・TVで放送された作品を焼いたディスク
ザ少年倶楽部にはじまり、以前はジャニーズジュニアランド、今はガムシャラ!など。他にもMステやドキュメンタリー、バカレア枠のドラマなどがここに当たります。
DVDで焼いたディスクはこちらへ。
Blu-rayで焼いたディスクはこちらを使って整理しています。
ビクター ブルーレイディスク専用保護フィルムケース・バインダー 30枚収納 日本製 MH-PBK30BD
- 出版社/メーカー: ビクター
- 発売日: 2011/12/19
- メディア: Personal Computers
- この商品を含むブログを見る
Blu-rayはDVDに比べてディスクの層が柔らかいため、不織布ケースに入れて保存していると傷が付いて再生不可能になるよと教えてもらい(それまではBlu-rayも同じく無印の不織布ケースで保存していました)速攻こちらに切り替えました。
上記の商品はポケットがPP製なので安心です。今ではBlu-ray対応の不織布ケースもあるようですが、長期保存に関して少し心配だったのでこちらを選びました。出来れば無印のものと同じく2段組みファイルだったら尚のこと良かったのですが…きっとそのうちPP製の2段組みファイルが発売されることでしょう。もしかしたらもう開発・発売されているのかもしれませんね。良い商品があったらそっちに切り替えるかもしれませんが、今はこの商品で満足です。ちなみにこれを使うのは既に3つ目です。
以上、これらの物がジャニオタでいる限り増え続けることを考えるとやっぱりジャニオタはミニマリストにはなれないと思うのです。プラス、わたしは読書が大好きなので文庫本・ハードカバーなどの本や漫画などの書籍類もあまり減らせませんでした。
けれど趣味を断捨離して無理やりミニマリストになるのもちょっと違うかなあと最近は思い始めたので、ミニマリストを目指すのではなく、うまく整理整頓をして、身の回りを出来る限りすっきりさせることを頑張っていこうかなと思っています。
そんなこんなでミニマリストになることは諦めたわたしですが、断捨離と整理整頓を経て、部屋は随分綺麗になりました。床に物がなにも置かれていないだけで、埃を見つけてもささっと掃除が出来てとても快適です。
今は勉強をしている身なので、これからテキストやノート類がどんどん増えていくことが予想されるのですが、その時はその時でまた整理整頓をして折り合いをつけていく予定です。
最近買った物のはなし
一応このブログ、グループ「ジャニーズ」に参加させて頂いているんですけれども、完全に個人的な趣味についてや備忘録的なものとかも書いていこう…と開き直りました。ごめんなさい。ジャニーズに関する記事の時はちゃんとカテゴリに分けます…!
そんな訳で今回は、ここ最近購入した物について。
1.ホホバオイル/無印良品
肌・体・髪の毛など体中に使える優れもの。
ちょうど無印良品週間だったので(無印ネットストアは明日4月7日まで絶賛開催中!)、ストックすべく購入しました。わたしはお風呂上がりに軽く水分を拭き取った顔に500円玉サイズくらいの量を塗り込んでから化粧水をつけます。油の後に化粧水?と思うかもしれませんが、これがなかなかよいのです。
それからタオルドライした髪の毛にもつけてからドライヤーで乾かしてます。ロングヘアなので、こちらも500円玉サイズくらいつけています。でも毛先がパサつくことを昨日美容師さんに相談したら、ドライヤー後にも少しオイルをつけてあげると改善しますよ、とのこと。所謂追いオリーブオイルならぬ追いホホバオイル。そんな簡単なことでいいのかー!と驚きつつも、今晩から実践予定です。目指せつやつやロング!
2.アボプレックスオイル/OPI
またオイル!こちらは爪のキューティクルオイルです。
子供のころ深爪だった+バイトが飲食業だったのもあって、爪を伸ばせず、ネイルベッドの形が綺麗ではないことがとてもコンプレックスなのですが、1年くらい前に買ったまま放ったらかしだったこのオイルを「使い切るまで毎晩本気でケアしてみよう」と思い立ったのが昨年末。最近無事に使い切ったのですが、伸びました!ネイルベッド!個人比ですが、確実に使う前より綺麗になった!嬉しくて追加購入です。爪の内側、ハイポニキュウムに垂らして保湿するとよいそうです。目指すは伊野尾くんのような指先。なんであの人はあんなに綺麗な指をしているのか…
3.TOMOHISA YAMASHITA ASIA TOUR 2011 SUPER GOOD SUPER BAD
TOMOHISA YAMASHITA ASIA TOUR 2011 SUPER GOOD SUPER BAD(Blu-ray Disc)(通常盤)
- 出版社/メーカー: ジャニーズ・エンタテイメント
- 発売日: 2011/12/21
- メディア: Blu-ray
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こちらはフォロワーさんにお借りしたのですが、1回再生してすぐに買うことを決意しました。
全体を通して好きしかない。絶対に手元に欲しい!とここまで思った作品ははじめてかもしれません。びっくりしました。わたし今まで自分がこういうタイプ(クラブ系?)の曲が好きなことも知らなかったのですが、どこの場面を観ても素晴らしかった。本家のTokyo SinfoniettaとPARTY DON'T STOP(feat. DJ DASK)最高でした。本家→少クラでのJr.たちのカバー→本家…と無限ループしています。どちらもとても格好よい。最近なにか作業をするときに流しておく映像物の中で一番の再生率です。でもBlu-ray画質のやまぴーが美しくて眩しくて作業が止まるのなんのって。バックにA.B.C-Zがついているのですが、これまた眩しい。Disk2のドキュメンタリーでは素の表情の彼らがちょこちょこ映り込むのが可愛いです。
4.ラドラー/サントリー
大好きなレモン風味のビールが日本でも発売されたぞ~!ということで箱買いしました。ラドラーとはビールをレモネードで割る、ドイツではかなりポピュラーな飲み物です。学生の頃に行ったドイツ・フライブルクで飲んだラドラーがものすごく美味しくて、それ以来もっぱらビール党なわたしです。それまでは全然飲めなかったのに…。日本では275mlの瓶と350mlの缶のみの発売なようですが、現地では注文するとリットル単位で出てきました。ご覧ください!ドン!
右が1リットル、左が1.5リットルだったような…。両手でジョッキを抱えながら美味しく頂きました。
5.香味焙煎コクの豊潤(深煎り)/ネスカフェ
このコーヒーが一番好きです。スーパーへ行ったら安く売っていたので、ウフフフフと気持ちの悪い笑みを隠しながらストック分を買いました。これでしばらくはコーヒーに困らないで済みそうです。ちなみに1日に3~4杯飲みます。
以上、買い物備忘録でした。
数回「ストック」という言葉を使ったのですが、わたしストック癖がありまして。けれども最近のマイブームは断捨離なんです。夢は出来る限り少ないものの中で生きていくことです。でもジャニーズ好きでいる限り、所有物は増えていく…!この矛盾と苦悩(笑)に関してはまたいつか書けたらいいなと思っています。
間違いなく輝いていた少年たちに向けて
例えるなら、春だった。
4月ですね。新年度を迎えて、新社会人・新大学生・新高校生…新しい環境がスタートしたなかで、この春を区切りとして、数人の男の子たちがジャニーズ事務所を去って行きました。
みんな輝いていた子たちでした。
ある子は小さなころから随分と長く所属してまさに自分の青春を捧げてくれた、ある子は自分の愛する居場所である関西を必死に守ろうと奮闘していた、ある子は大好きな先輩のコンサートでとても嬉しそうにドラムを叩いていた子でした。このタイミングでなくても、過去、気づけば指の隙間から零れてしまうように何人のもJr.が辞めていきました。彼らは例えるなら、春でした。春のように暖かくて優しくて眩しくて、そしてまた、春のように儚い夢でした。
ジャニーズJr.というレッテルはひとりの男の子が背負うにはあまりにも重たすぎるとよく思います。彼らはどこへ行っても「ジャニーズJr.の○○くん」であって、彼らが彼ら自身である前に必ず「ジャニーズJr.の」という言葉が付いて回ります。それがどれだけ大変なことか、いち鑑賞者であるわたしでは想像することしか出来ません。
そして辞めた瞬間に「ジャニーズJr.の」は「元ジャニーズJr.の」に変わります。他の事務所に移って活動するにも、一般人として生きていくにしても、ずっと背中に張り付いたままのこのレッテル。たとえその子が自ら望んで事務所に入ったとしても、やっぱりどうしたって、重たい。重たすぎると思うのです。
だからこそ、このレッテルを現在進行形で背負う子たち、過去に背負っていた子たちにはしあわせになってほしい。結果がどんな形であっても絶対に絶対にしあわせになってほしい。鑑賞者側からの無責任な誇りと願いばかりを乗せて申し訳ない。けれど、祈ってしまうのです。本当に、手放しでしあわせを祈るだなんてただのエゴでしかないことは分かっていても。
春のように優しい夢をありがとう。
あなたたちの進む新しい世界に、しあわせが満ちていますよう。
漫画「この音とまれ!」のはなし
突然ジャニーズと関係のないエントリーを書きますが、この漫画が本当に面白いのでご紹介させてください。
ジャンプSQで絶賛連載中、現在8巻まで刊行されています。
あらすじは以下、公式HPより。
先輩達が卒業し、潰れかかっていた時瀬高校・筝曲部。ただ一人の部員となってしまった武蔵だが、そこに不良の愛や箏の天才であるさとわ、実康ら3バカが入部したことで状況は一変。ドタバタしながらも懸命な練習を重ね、学校中を納得させる演奏をするまでに。最初は問題児であった妃呂も加わり、時瀬筝曲部は全国大会を目指し始める!
主人公の久遠愛(くどお・ちか*1)は中学時代相当荒れていた男子高校生。そんな彼が何故お箏を弾くようになったのか?突然弱小筝曲部へ入部を申し込んでくるお箏の名門鳳月会の娘、鳳月さとわ(ほうづき・さとわ)の本当の入部の理由とは?荒れていた愛の過去の真相、切っても切れない愛と箏の関係性、そして集まった部員と共に全国大会を目指す――
そもそも箏って?
元来は唐より伝来した楽器で、現在の日本では十三本の弦を持つ弦楽器として普及しています。柱(じ)と呼ばれる弦支で音程を調弦(ちょうげん・チューニング)します。また、十七本の弦を持つ十七弦筝というものも存在します。イメージ的には十三弦箏がヴァイオリンなら十七弦箏はコントラバスといったところでしょうか。あくまでイメージです、こんな適当なことを書いたら詳しい人に怒られてしまうかもしれません。十七弦箏は十三弦箏よりもずっと大きく、弦の太さも違います。「琴」の文字を当てることもありますが、正確には「箏(こと・そう)」と表記します。なので愛たちが所属する部は「筝曲部(そうきょくぶ)」と読みます。
筝曲には大きく分けると2種類の流派があり、生田流と山田流に分類されます。双方の大きな違いは装着する爪の形です。
画像お借りしました。
画像上部、丸い爪を用いるのが山田流。画像下部の四角い爪を用いるのが生田流です。この爪の形を生かすために、演奏時に箏に向かって正面に座る山田流・斜め45度に座る生田流と座り方にも差が出てきます。作中では愛やさとわ、その他の部員たちが皆四角い爪を用いているので、彼らの所属する時瀬高校筝曲部は生田流だと思われます。
こちらも画像をお借りしました。
画像を見ていただくとわかるように、こちらは四角い爪なので生田流ですね。装着するのは右手の親指・人差し指・中指の3本です。基本的にはこの3本の指で演奏をしますが、爪を着けていない薬指・小指、また左手も使用します。薬指と小指はピチカート*2という弦を指で弾く演奏を、左手は同じくピチカートで弾いたり、調弦した弦を押さえたり、ぐっと引いたり、結構忙しいです。この押さえたり引いたりそれぞれに技法の名前があるのですが、今回は長くなってしまうので割愛します。
この音とまれ!の魅力
まず、作者であるアミュー先生が幼少期から筝曲に触れてきたというだけあって、演奏描写がとてもリアルです。なじみのない楽器に恐々と触れる様子、手作りの段ボール箏で練習をする風景などなど。はじめは愛たちのような箏初心者はみんな指の腹が柔らかくて、弦を弾いたり押さえたりするだけで指がパックリ裂けるのではないかと思うあの感覚!わたしは高校時代に筝曲部所属だったのですが、本当に裂けるんじゃないかと思うんですよ…この描写を読んだ瞬間あの痛みが襲ってきて、ウッ…!となりました(笑)
そして、作中の曲が実際に公式で聞けることが最大の魅力ではないでしょうか。
なかなか実際に耳にすることの少ない筝曲ですが(お箏と言えばお正月にTVでBGMに流れているぐらい…それ以外に楽曲を聞ける機会がないことは実に残念です)、「この音とまれ!」は作中に登場するオリジナル曲が公式HPおよびYou Tubeで公開されています。アミュー先生のお母さま・お姉さまも筝演奏者だそうです。すごい!
以下にリンクを貼った作中登場曲『龍星群』はお姉さまが作曲され、動画で十七弦箏を真ん中で演奏している女性(さとわ役)が、そのお姉さまだそうです。コミックスでは2・3巻で大きなターニングポイントとなる曲です。
この曲が!わたしは!とても好きです!!!
是非一度再生してみてください。漫画のワンシーンがところどころにちりばめられているので、この動画だけでも「この音とまれ!」の良さが伝わるのではないかな、と思います。序盤のトレモロアタックは迫力がありますよ!そして愛のソロパート。男性らしい張りつめた強い音、けれど優しい音はまさに愛そのものです。そのほか、筝曲界では有名な八橋検校(やつはしけんぎょう)の『六段の調』や沢井忠夫先生の『石筍』なども作中に登場します。
さいごに
わたしは箏に全く詳しくない人間です。なので、詳しい方がこのエントリーを読んだら、何を言っているんだこんな適当なことばかり!と思われるかもしれません。わたしはただ高校3年間、筝曲部に所属していただけの素人です。それでも、箏って素敵だなあと思うのです。邦楽というと、どうにも敷居が高いように感じてしまいますが、もっと身近に普及していってほしいなあと思うのです。そして何より「この音とまれ!」という作品が素晴らしいということを、もっともっと多くの人に知ってほしいなあと、その気持ちだけで書きました。このエントリーが「この音とまれ!」に興味を持つきっかけになれば幸いです。
それから
無理やりこじつけるようにジャニーズの話をしますが、ジャニーズだと三味線はよく見かける*3のに筝はタッキーが歌舞伎で披露したくらいでしょうか。確かに大きくて幅をとる楽器ですから、ジャニーズの舞台の中で使用するのは難しいのかもしれません。けれど最近フォロワーさんにお借りした歌舞伎のメイキングで、タッキーがとても苦戦しながら練習している姿が収録されていましたが、あれ、嬉しかったです。ジャニーズがお箏弾いてる…うれしい…またどこかでやってほしいものです…。
防振双眼鏡のススメ
目が悪い方にこそ体験してほしい、あの衝撃
防振双眼鏡がすごいということは、もう皆さんきっとご存知だと思います。
わたしも防振ユーザーの方々のまとめやツイートを読んでは物欲をふつふつと沸かせておりました。でもやっぱりどうしても高いですね、お値段が。このバッグ可愛い♡買う♡というのと同じノリで、防振双眼鏡欲しい♡買う♡って…なるでしょうか。なかなか難しいかと思います。だって双眼鏡ひとつの値段で普通に5公演くらい舞台が観られるんですよ。約5万円ですよ!?(しかも在庫の関係でまさかの時価)
けれど、お高い買い物ですが、手に入れてからの後悔は全くありません。
と言いますのも、わたし、とても目が悪くて。
2weekのコンタクトを使用して生活をしているんですが、右目がPWR-9.00*1(裸眼視力だと0.02くらい)で、乱視もきついので、基本的に双眼鏡を使ってコンサートや舞台を観ていても対象がよく見えないことが当たり前でした。なんとなーく現場の雰囲気をつかんで終わり、なんてこともしばしばです。乱視用のコンタクトって上下左右が決まっていて、それが目の中でぴったりと合わないとピントがずれてしまうんですよね。しかも、瞬きを一回するだけでコンタクトが動いてしまうので、視界がぼやけるのなんの。もう何を観ていてもストレスフルです。1幕が終わるころには肩が凝ってしまって、幕間には必ず頭痛薬を飲んでいました。
ところが。
今日防振双眼鏡を覗かせてもらったのだけれど、すんごい鮮明で驚いた!あれは真剣に購入を検討したい!
— しお(ひとつまみ) (@salz_zk) 2013, 12月 22
衝撃でした…物が鮮明に見えたんですよ…何年ぶりか分からないくらいに…!目が悪い方であればあるほど、覗いた瞬間に衝撃を受けられるのではないでしょうか。なんてことだ。物の輪郭がはっきりしている。演者の髪や肌や衣装の質感が分かる。双眼鏡越しとはいえ、日生の2階席後列で自分の目で舞台のバミリ*2が見えるなんて、今まででは有り得ませんでした。まさに革命です。
自分への誕生日プレゼントに、遂に買ってしまった防振双眼鏡…!!!!!! pic.twitter.com/RFZKo8zkkT
— しお(ひとつまみ) (@salz_zk) 2014, 7月 16
その約半年後には購入。
冒頭には「やだ~防振双眼鏡欲しい♡買う♡」なんて軽い口調で書きましたが、結構意気込んで買っていたようです。びっくりマークが多いですね。
悩んだ末に選んだものは、この界隈では一番スタンダードであろうCanonの10×30IS、倍率は10倍です。
買うまでに半年空いているのはお財布上の関係と、防振取り扱い店舗の在庫有無等々の要因があったのですが、なんとか2014年9月の舞台には間に合ったのでよかったかなと思っています。おかげで自担が使っている小道具のメーカーまで判明しました*3。
Canon 双眼鏡 10×30IS ポロII型プリズム 10倍30口径 コンパクトモデル 10×30 IS
- 出版社/メーカー: キヤノン
- メディア: エレクトロニクス
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メリット
・ぶれない(なんてったって防振ですからね!)
・とにかく明るい(以前まで使っていた双眼鏡は10×21でした)
・視野が広い
・頭痛薬を飲まなくても観劇が出来る
実際に使ってみて、Jr.を応援する身としては明るさって重要なのだなあと感じました。劇場2階後列から*4でも暗闇でしゃがんで待機している姿が…観える、観えるぞ…!
一番最後の点はなんのこっちゃと思われるかもしれませんが、観劇回数=頭痛薬を服用する回数だったので、観に行けば行くほど胃が痛くなっていたあの生活とさようなら出来たのは本当にありがたいことです。
また、観劇中に乱視用コンタクトがずれて自分の視界がぼやけてしまっても、防振の精度がすごいので、精々ちょっと霞むかな程度で済みます。多分これが皆さんがおっしゃる「防振だとBlu-ray画質に見える」ということかと思います。わたしの場合で言うと「もともとVHS画質だったものがBlu-rayに、しかし稀にDVD画質になることもある」と表現するのが一番合っていると思います。もうこれはわたしの目が悪いことが原因なので、しょうがない。DVD画質で観られるだけでも感激です。
デメリット
・お財布に優しくない
・ちょっとかさばる
ぐらいでしょうか…個人的には他には何もありません。
ボタンをずっと押していると指が疲れる件も、以下の方法で解決しました。
まわりの防振ユーザーに触発されて、わたしもボタン押しっぱなしに出来るバンドを手作りしたんだけどあれは便利だわ〜!指の疲れを全く気にしないでよいからとても快適だった!
— しお(ひとつまみ) (@salz_zk) 2014, 12月 14
防振機能を使っていると緑色のランプが光ってしまうことが気がかり(後ろの席の方の視界の邪魔にならないだろうか・録画していると思われるのではないだろうか)だったのですが、このバンドを付けることでランプ部分が隠れるので、その点も安心です。ちなみに縫いつけたボタンは家にあったものなので、製作費は100均のお弁当バンド(108円税込)のみ。リーズナブル。ボタンはサイズが若干違うものを2つ重ねて、うまく防振ボタンに当たるようにしました。
重さも、着席しながら舞台で使う分には全く問題ありません。コンサートでうちわとペンライトを持ちながら3時間立ちっぱなし、のような状況になると流石に多少肩・腰に来ました。体力がないだけかもしれません。
以上、目が悪い人間による防振双眼鏡のススメでした。さらば眼精疲労。
さて、はてなブログをはじめた時に、「担当について」「防振双眼鏡について」の2つだけは絶対に書こうと思っていたのですが、さっそく書ききってしまった…これからどうしよう…。
担当するということについて
担当ってなにかしら?
ジャニーズを好きになって、一番最初にぶつかったのはやはりこの壁でした。
わたしは高橋実靖くんの担当をしています。
いま界隈でちょっとしたブーム(?)になっている「担当論」について、わたしもちょっとだけ書いてみようと思います。
わたしにとっての担当とは、誰よりも一番しあわせであってほしいひとです。何においてもまず彼がしあわせであってほしいのです。どんなお仕事でも、実生活でも、とにかく彼がしあわせであればいいなあと思えるひとが、わたしにとっての担当です。
そりゃあお互いに人間なので、ムムムと思うことだってあります。ダンスが間違っているよ、捌けるのはそっちじゃないよ、衣装が上手に着られていないよ。他の子はぎりぎりまで笑顔で手を振っている状況で、先陣を切って捌けていってしまう背中を何度も観てきました。あなたのファンがあなたを観ている、それでももう捌けてしまうの?そんなことを思ったこともあります。それでもわたしは実靖くんがしあわせなら、まあそれでよいかなと思うのです。甘いでしょう。わかっています。
それからもうひとつ、うちわを持ちたいひとというのも「担当」を決めるにおいて重要な点でしょうか。わたしは実靖くんが出ている現場で、実靖くん以外のうちわを持つことは出来ないと思います。
以下はわたしの前回の記事からの引用です。
え?何?担当制度?担当…なにを担当するの?あ、タレントを担当するの?よく分からないシステムがあるのね。へええ、わたしみたいにTVだけでジャニーズを応援している人のことをお茶の間って呼ぶのか、うまいネーミングだなあくらいに思っていました。
(中略)
嵐の茶の間おたくだったわたしは、気づいたら何故かJr.担になっていたのです。
そもそも茶の間嵐おたくだったわたしは「現場における誰担当であるかということの重要性」が全くわかっていませんでした。ドラマに出ている二宮くんが好きだから、わたしは二宮担なのかな?そうなのかな?ぐらいの気持ち。はじめて嵐を生で観られたのは2011年の「嵐のワクワク学校~毎日がもっと輝く5つの授業~」でした。当時のチケットを見てみると、見事に魔の41ゲート。そう、東京ドームの一番上の天井席でした。ただ、それでも生で動いて喋って笑っている嵐が目の前(全く目の前ではない)にいる。それだけで満足でした。担当とか、決めなくても良いのだなあと。5人でいる嵐が好きだなあと思っていました。その後運よく2011年の国立でのコンサート「ARASHI LIVE TOUR Beautiful World」に連れて行ってもらいましたが、土砂降りの日だったのでうちわ無しで観に行きました。
「わたし、Jr.担になるね」
そんなわたしに転機が訪れたのは2012年、国際フォーラムで行われたSexyZoneのデビューコンサート。はじめて行くジャニーズの、フォーラム規模のコンサート。ここで問題が起きたのです。わたし、誰のうちわを持てばいいのだろう?まだ担当がいない(嵐全員が好きな)当時大学生だったわたしは、ドイツ語を専攻しているし…マリウスくんを応援しようかしら…という、なんなんだその理由は!と怒られそうな気持ちでマリウスうちわを作って会場に行きました。噂には聴いていたけれど、ジャニーズのコンサートって本当にうちわが要るんだ…なんて思いながら生まれてはじめて作ったうちわです。
その頃、デビューの少し前からオンエアされていたJr.の番組「ジャニーズJr.ランド」の初回を見逃したわたしに優しい友人が見せてくれたこの回に、番組中やたらと見切れている子がいました。実靖くんです。友人に「ねえ…このやたら見切れている子が気になって仕方ないんだけれどどうしたらいい?ちょっぴり冴えない感じの、そう、多分さね…さねやすくんっていう子…」とメールをしたところ、コンサート行くんでしょう?じゃあ実靖うちわも持って行けばいいんじゃない?とアドバイスをくれました。多分バックにつくからと。バックにつく子のうちわを作る…それってつまりJr.担になるってこと…!?何それ無理だよ怖い!!などと返信したような気がします。
コンサート当日。
結果は明らかでした。
目の前で歌って踊るマリウスくんは本当に可愛くて、白い肌がきらきらしていて、初々しくて、本当に天使のようでした。ああそれなのに。わたしはどうにもセンターステージでぎこちなく踊る、ある男の子ばかりを目で追ってしまう。どうしてでしょう、はじめてマリウスくんを生で観たということよりも、ステージの上で踊る実靖くんのことを「やっと見つけた!」と思う気持ちの方がずっとずっと大きかったのです。わたし、この子にしあわせになってほしい。気づけば手に持っていたうちわは実靖くんの名前のものになっていました。今思えばこの行為をDDというのだと言うことを、当時は知りもしませんでした。
全公演が終わった後に、アドバイスをくれた友人に宣言しました。
「わたし、Jr.担になるね」
公演前に引いていた風邪の後遺症でガラッガラのおじさんみたいな声で、宣言しました。
「わたし、実靖くんの担当になるね」
はじめての担当宣言でした。
それから今年で実靖くんを応援して丸3年が経ちました。
彼が立つその場所が、どんなに舞台の端であっても、わたしにとってはそこが0番センターです。そこがどんなにライトの当たらない場所でも、眩しく輝いて見えます。いまでは主にSHOCKやPLAY ZONEなど実靖くんが居ない現場に行く事も多いですが、ひとたび彼が居る現場に行ったのならば、もう視線は彼しか捉えられないのです。いつかわたしにも「担降り」をする日が来るのでしょうか。まだ分からないけれど、もしそんな未来が来たとしても、やっぱり実靖くんにはしあわせであってほしいなと心の底から思うのです。